ドイツ旅行記 その①
7月下旬から8月上旬にかけて我が社は季節外れの夏休み。
というわけで、ドイツに行ってきましたので備忘録がてら報告します。
長文です。お気をつけて。
今まで海外はアジアには行ったことがありますが初のヨーロッパとなります。
当然飛行機に乗る時間も自己新記録、12時間ですよ。
今まで飛行機には何十回と乗っているのにこれほどまで乗ることが不安になったのは初めて。
さて出発当日の朝から。
当日はいつもより少し早く起きて出発。
到着後、出発までは1時間半ほどありましたが色々やってたら直ぐに時間が過ぎました。
搭乗口に着くころにはビジネスクラスの呼び込みが始まろうかという時。
やはり国際便に乗る際には2時間くらい余裕を持ったほうがいいですね。
搭乗口に行くと外国人よりも日本人が多い模様。
夏休みの私はともかく他の人はどうやって休みを確保しているのか。
見たところビジネスマンは少なく家族連ればかり。疑問に思いました。
機内に入り、隣の席に座ったのは小柄な外国人女性。
ゲルマン民族というよりはスラブ系に見えた。ドイツ人は目鼻立ちがかなりくっきりしている印象だが幾分やわらかい感じ。
それにかなり若く見える。ティーンエイジャーにも見えるくらい(その予想は機内でワインをがぶ飲みしていたので外れましたが)
その子が窓際で、私が通路側。なのでその子のバックパックも荷物収納棚に入れることに。
またこれが想像を絶する重さ。僕のバックパックと同じくらいのサイズなのに。
日本人の女の子くらい華奢なのにどうやってこれを背負ったきたのか・・・
さて、これから12時間のフライトです。
映画を3本、それと睡眠でなんとか凌ぎました。流石にヒマすぎる…
機内食は合格点。ドイツではパン食がメインになると思いご飯をチョイス。
ここで何となく実感し始めたこととして、外国人とのガタイの違いです。
僕は日本人としては平均の身長ですが彼らと並ぶとかなり小さい。
日本でも外国人には出くわしますが周りが概ね白人という機会はなかなか無いですし、ここらでやっと実感。
もちろん僕くらいの背の人もいないことはないですが顔が幼い。
日本でもそんなことがあるようにサイズの違いこそあれど同じようなことが起きるんだなぁ…、と。
ちなみに女性もそれなりにでかい。僕と同じくらいの人が大半。
よって飛行機の荷物収納棚もかなり高い位置に。前述の重いバックパックを入れる時にはかなり苦労した。
通りで「ありがとう」って何回も言われたわけだ。
そして到着。
到着後気付いたのが表示板が思いのほか優しくないこと。空港内で少し迷った。
これは気を付けなければならなさそうです。
ジャーマンレイルパスという。こっちでいう青春18切符を今回の旅ではメインに使います。
要するに今回は電車旅。私の今回の日程を見てくれるとひとり旅でなければならないわけが分かる筈。
これのヴァリデーションで2,3件窓口をたらい回しにされた後、ようやく出発です。
こちらの電車は特急以外の電車は基本的にセルフサービスで扉を開けます。ボタンを押せばおk。
先頭車両に乗ったのですが自転車を停めておけるスペースがあり、そこに荷物も置きっ放しです。
我々外国人が同じことをしたら直ぐに泥棒にあってしまいそうですが現地の人にとっては普通のようです。
ドイツの治安の良さを感じさせる一面です。
移動時間40分。
そして最初の目的地であるマインツへ。
駅から出て、ホテルを探しているとドイツ人のお兄ちゃんが道を教えてくれました。
迷っているわけではありませんでしたが異国の優しさにさっそく触れます。
ホテルに荷物を置いて街へ。
現地時刻は17時でしたが時差(7時間遅れ)で完全に夜更かしですのでさらっと回ることに。
しかし、何でもない中堅都市でこのクオリティかと思うくらい街並みが美しい。
なんて平和なのだろうと思いました。街自体もコンパクトで徒歩で直ぐに回れました。
途中、小腹が空いたのでサンドウィッチをテラス席で。私好みのいい味でした。
見た感じ東洋人は私くらい、尚且つ観光客も殆どいない中私はかなり目立っていたのでは無いだろうか…
ここで気付いたのが外食の物価の高さ。水は500ミリペットボトルで概ね200円近くします。
全体的に見ても日本より少し高いかも、と街のレストランを見て感じます。
マインツの大聖堂はかなり有名だそうですが、時間もあり中には入れず。
しかし外から見るだけでもその偉大さは分かります。
観光としては幸先がいいスタートになったのではないでしょうか。
2日目はかの有名なケルン大聖堂のある街、ケルンへ。
朝食はホテルのブッフェ。
これがレベルが高く満足出来ました。
サラミやハムが数種類ありましたが日本とあまり変わらず食べやすい。
チーズもカマンベールは似たような味です。
主食となるのはもちろんパン。
ここではプレッツェルと菓子パンをチョイス…美味い。
僕は決してパン派ではありませんがその塩味が口に合います。
菓子パンはジャムが中に入ってあります。どちらも美味い。さすがパンの国。
駅に向かいます。ドイツ版新幹線で移動です。
駅に改札はなくキセルできてしまうんじゃないかというくらい警備が緩い。
(私はパスを持っているのでキセルにはならない)
実はケルンまでの直通列車は空港に近いフランクフルトから出ている方がマインツから出ている電車よりも早く着くのですがこれには理由が。
それはマインツから出る電車だとマイン川の畔を通るんです。
マイン川観光はのんびりと遊覧船に揺られながらが本当は1番いいのですが、今回の旅は短期間のため雰囲気だけでも味わえ、移動も早く済むこちらをチョイスしました。
マインツは何だかんだで中級クラスの都市なので近代的な建物があったりしますが、川の畔は田舎街が続いているため昔ながらの家を見ながらケルンへ向かえます。
マイン川の眺めも素晴らしく、古城が何個も見えました。
中にはガイドブックで確認できるような有名な城も見ることができ、個人的にはこれで満足。
それにしてもどの街にも教会があり、木組みの可愛らしい家が連なる様子はさながらドラクエの様です。
川の畔から見える古城はまるで魔物の巣食うダンジョンのようです。
車内では切符の確認が行われますが任意。
マジで経営大丈夫かと思ってくるように。
そうこうしている内にケルンに到着。移動時間2時間。
到着後、ロッカーにバックパックを預けるんですがこれが難易度高め。
お金を入れて荷物を入れるのですが、2時間をオーバーしたら追徴金が出る仕組み。
プラン的に2時間を越えることは分かりきってきたので、その料金を入れようとしたのですが返ってくるばかり…
何と先払いは無理だったんですね。10分くらい考えてしまいようやく解決。
ロッカーはと言うとクルマの立体駐車場のような造りになっていると思われ、バックパックを入れるとコンベアが動く時のような音がして運ばれていきます。
一体荷物は何処に行くのだろうか。とてもじゃないが見えている範囲ですべての荷物を納めているようには見えない。
荷物を入れ、外に出れば直ぐに大聖堂です。
これが駅からは見えないように絶妙な配置になっているので見れた時の感動もひとしおです。
大聖堂のその大きさに圧倒されます。これが日本の江戸時代に造られたのだから恐ろしい。
この時代の白人国家の力を思い知ります。
日本語のパンフレットもありますが有料。
お布施のつもりで入れましょう。
中に入る天井がとてつもなく高い…そこに合わせる大きさのステンドグラスが聳えます。
そのどれもが極彩色で美しく、息を飲みます。
奥に進むと黄金の祭壇などが。
大聖堂自体の見学はさらっとこなせます。
イベントとしては塔に登れるそうなのでそれと、大聖堂にまつわる宝物館があるのでそれの見学となります。
塔に登るためには一旦外に出る必要があります。
入る時は大聖堂の横から入ったので今度は真正面にいける出入り口へと向かいます。
そこで主塔2本を初めてまざまざと見ます。
高さは150メートル。テレビ塔よりも遥かに大きい建造物です。
塔に登る為のチケット売り場の近くでトイレがありますが、観光地なのでお金を取られてしまいます。50セント。
塔への入場料を払い内部へ。これが長い戦いの始まりでした。
螺旋階段が途方も無く続いているのです。
外にエレベーターが見え、それで登るんだろうと勝手に思い込んでしまっていたので不意打ちを食らった気分です。
前後の白人さんがゼーゼーと息を切らして登ります。
言葉は分かりませんがそのニュアンスから「もうやだ」と私には読み取れました。
私の前を登っている方はバックパックを背負いながらです。
私が持っているのよりも遥かに大きいし、荷物がパンパンに詰まっています。
よくこんなの背負って登れるなぁなんて思っていると途中のフロアで休憩。
かなりしんどそうです。バックパック預けといて良かった。
その途中のフロアは大聖堂の鐘があります。
かなりの大きさ、それでも日本の寺社仏閣を多々回ってきた私にとってみれば日本も負けちゃいないぞと言う感じです。
そして更に上へ。
ただっぴろい部屋に出たのでこれで最後かと思いましたが、まだまだあります。
ベンチが数脚並んでおり、子供を見送るお母さん方で溢れかえっていました。ここのとこは日本と同じ。
この階段を登り、ようやく1番上のフロアへ。
よくこんなに高いとこまでこれたもんだなぁと感心します。
数分滞在の後降ります。
そしてコンビチケットとして買った宝物館へ。
向かう途中、白人家族に声をかけ大聖堂をバックに写真を撮ってもらうことに。
お母さんに声をかけたら「分からないわ、やって。」とお子さんに僕のiPhoneが渡ります。
滞在中、家族連れにかなり出くわしましたが子供がみんなかわいい。
決して大人が・・・というわけではなく、美男美女ばかり。目鼻立ちの良さは正義だと感じた。
宝物館へ入ると煌びやかな黄金が出迎えてくれます。
スタッフや指輪、法衣などもありその全てが豪華。司祭の地位の高さが窺い知れます。
と、この辺で疲れが出てきました。時差もあろうかと思いますが、大聖堂を登ったダメージも大きかったと思う。
宝物館を出た後休憩がてらレストランで食事を摂ることに。
ザワークラウトというキャベツの和え物とポテトサラダの上にソーセージをどんと載せたもの。
キャベツは酸味があり、今まであまり食べたことがない種の味ですが食べきれるレベルの味。
ポテトサラダは美味しい、しかし量がハンパないので腹に溜まる。
ソーセージは無論美味しいです。
そしてまさかこのソーセージが箸休めになるとは…食べたことがない味、恐るべし。
その後ルートヴィヒ美術館へ。
ここは行きたかった場所。ピカソやウォーホルと言った近代美術を中心に展示してあります。
特にピカソの収蔵数はヨーロッパ最大級とのこと。
チケットを買い、中に入ろうとすると途中で声をかけられ、荷物をクロークに預けるようにと。
その警備員がアジア系で、どこの人だろうと思っていたら向こうから声をかけられました。
日本人だと答えると向こうはビルマだということ。その物言いからずっと前に移住してきた方だろうと思います。
少し会話をし、館内へ。こちらでは東洋人が少なく、親近感を覚えます。
展示フロアではいきなりピカソがお出迎え…感動です。初めて本物を見ました。
その抽象的でありながら分かりやすく的を得る表現はまさに彼しかできないでしょう。
しかし印象に残ったのは婦人画です。ピカソの画風、キュビスムとは全く異なる普通の画ですがこれが新鮮に移りました。
次のフロアに展示されていたロバート・ラウシェンバーグは僕好み。
ポスターでも注文したいくらい。
そしてウォーホル。
見たことがあるような有名な画はありませんでしたが彼の技法であるポスターカラーを使った画を初めて堪能。
その後は現代美術を順に見ていきます。
その殆どが19世紀後半から20世紀初期のものですがそのイマジネーションは素晴らしく見入ってしまいました。気付くと3時間経ってた。
帰り間際クロークで荷物を受け取ろうとしたら預けた証のカードをどこかに落としてしまっていることに気付きました。
想定外だったので上手い英語が出てこない上に相手もドイツ人にしては珍しく片言。
頑張って説明していると隣のおばちゃんが僕の片言をドイツ語に翻訳してくれました。この人が、いなければどうなっていたか…
色々と面倒くさい処理を済ませ荷物を受け取ります。
もしかしたらカードを拾った他人が私の荷物を引き出していた可能性が無きにしも非ずだったわけで・・・命拾いした気分になりました。
ここが終わると疲れがピークに。
ケルンを後にし宿へ行くことに。幸い工程はクリアしていたので少し移動が前倒しになっただけで済みました。
列車は25分遅れ。
ドイツ人は真面目だけどここは普通に守らないのね。
この駅で水を買いましたがこれが炭酸水で戸惑いました。
どうやら普通の水に紛れて置いてあるみたいです。しかし疲れた身体には炭酸が染み渡ります。
次の街はシュツットガルト。移動時間は2時間。
この街は日本で言うと豊田市といったところでしょう。
かのメルセデスベンツが拠点にしている地です。
大きな街ということで駅も大きい。
16番ホームまであります。
街並みも今までと比べると近代的。そのせいか少し無機質な印象が。
ホテルはとてもいい雰囲気。
ドイツにしては珍しいエアコン完備。ボディソープやシャンプーも備え付きであります。
ベッドの上方にはベンツ博物館の写真が。時間があれば行きたかった場所の一つです。
夕食はホテルに荷物を置いてから街で取ろうとしていましたがそんなの身体が言うこと聞いてくれませんでした。サンドイッチを購入し、ホテルで食す。
ビールを飲みつつ凄まじい早さで床に入りました。
続く。